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  • 2020.02.27
  • 【2020年7月10日施行】遺言書は法務局で保管可能に!自筆証書遺言の保管制度とは

遺言書

2020年7月10日から、自筆証書遺言は法務局で保管してもらえるようになります。

これまで自分で書いた遺言書は自己管理する必要があったので

紛失や破棄、相続人が探せないなどの問題が起きていました。

 

近年、自然災害によって、書類が消失・破損するケースが多く発生しています。

また、高齢化社会の進行により、作成後に認知症になり

書いたことすら忘れてしまうケースもあることでしょう。

 

このようなリスクを解消するため、

自筆証書遺言を法務局で保管する制度が創設されました。

 

この記事では自筆証書遺言の保管制度に関する解説と

この制度を利用するメリットについてお伝えしていきます。

 

自分で管理する遺言書にはリスクがあった

 

遺言書には3つの種類があります。

自分で書いて自分で管理する「自筆証書遺言」、

公証人を介して作成し、公証役場に保管する「公正証書遺言」、

自分で書いて封印した上で、公証役場で封印の記録を残して、

自分で遺言書を保管する「秘密証書遺言」の3つです。

 

そのうち、最も手軽で安くできる自筆証書遺言は

非常に多くの方が利用する方法でしたが、

その分、様々なリスクがありました。

 

先述しましたが

 

1.紛失する恐れがある

2.破棄される恐れがある

3.探せなくなる恐れがある

 

自分で管理する以上はこれらのリスクが

どうしても付きまとう状況でした。

 

この問題を解消するため、

2020年7月10日より、自筆証書遺言の保管制度が施行されます。

 

自筆証書遺言の保管制度を利用するメリット

 

この制度を利用することによって、

大事な遺言書を法務局が管理してくれるようになるので、

紛失や破棄・改ざん・隠匿の心配がなくなります。

 

物をなくしやすい人や忘れっぽい人、

第三者に遺言書を見られたくない人には安心です。

 

また、保管する前には

様式に不備がないかチェックしてくれるので

無効になる危険を回避できます。

 

遺言書として有効な状態で

保管されることになります。

 

ただし、注意事項もあります

 

高齢化社会の現代に適した制度ですが注意事項もあります。

 

1.内容の不備や財産の抜け漏れまではチェックされない

 

法務局では形式(書き方)についてはチェックできますが、

内容の明確性や財産の抜け漏れまでは判断できません。

訂正や撤回はできますが過度な期待は禁物です。

 

2.保管したことを相続人に知らせておく必要がある

 

遺言者が亡くなったからといって

法務局から自動的に相続人に通知されるわけではありません。

 

相続人の方から問い合わせた場合は教えてくれますが

保管されている事実を知らなければ放置されたまま

遺言書の内容とは違った相続手続になる可能性があります。

 

そのため法務局に保管していることを相続人に伝えておくか、

遺書やエンディングノートにその旨を記載しておくなどして、

「遺言書が法務局に保管されていること」を示しておきましょう。

 

3.必ず本人が申請しなければならない

 

自筆証書遺言の保管を申請できるのは本人だけです。

付き添いの方が必要な場合でも、必ず本人が出頭しなければなりません。

そのため、歩行障害などで法務局に行くのが困難な場合は、

この制度の利用は難しいかもしれません。

 

施行は2020年7月10日から!文面や内容はプロに相談を

 

この制度は【2020年7月10日】から施行されます。

 

安心して管理できる制度ではありますが

遺言書の具体的な内容については慎重に考える必要があります。

 

効果のある遺言書を確実に作成するためには、

自筆証書遺言を選択する場合でも、弁護士や司法書士などの

相続の専門家に相談やチェックをしてもらった方が良いでしょう。

 

遺言を安全に管理し、相続後のトラブルも回避できるよう、

元気な今のうちからしっかり準備していきましょう。

当事務所では相談は無料で受け付けておりますので

ぜひお気軽にお問合せください。